第11回研究大会は、新潟県立大学にて開催されることになりました。本来は2020(令和2)年度に開催予定だったものを2021(令和3)年度に延期しての開催です。とはいえ、いまだ新型コロナウィルス感染症の収束に見通しがたたないことから、対面式の開催を断念して本学会初となる非対面式のWeb開催とすることになりました。大会実行委員会としては、皆様に新潟へお越しいただくことを楽しみにしておりましたが、気持ちを切り替えて、Web開催のメリットを活かせるよう準備を進めてまいります。
一方、新型コロナウィルス感染症の拡大を受けた政府による全国の小中高特別支援学校への対応は、学童保育現場へも大きな影響を及ぼすとともに、さまざまな課題も浮き彫りになりました。子どもの最善の利益とは何か、学童保育学の立場からあらためて問い直すタイミングでもあるようです。
日本学童保育学会 第11回研究大会 実行委員会
実行委員長 植木 信一
日 時:2021年6月19日(土)10時00分~ / 20日(日)10時00分~
会 場:Web開催(配信本部:新潟県立大学)
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主催:日本学童保育学会
後援:新潟県、新潟市、新潟県社会福祉協議会、新潟市社会福祉協議会 、新潟市教育委員会
9:30~ Zoomへの入室開始(大会1日目)
10:00〜12:30 自由研究発表Ⅰ・Ⅱ
13:00〜15:30 自由研究発表Ⅲ・Ⅳ
15:30~16:30 あいさつ・総会・理事選挙
自由研究発表Ⅰ
(司会)垣内 国光
10:00~10:30(30分) |
コロナ禍における学童保育において、保護者会はいかに機能したか 〇清水 順子(北九州市立大学) |
10:30~11:00(30分) |
放課後児童クラブの保護者支援におけるおたよりの活用とその効果 ―保護者アンケートから考察する― 〇内座 晋作(たけのこクラブ・支援員) |
11:00~11:30(30分) |
指定管理者変更を体験した指導員の意見 〇青山 有希(東京女子体育大学・東京女子体育短期大学・講師) |
11:30~12:15(45分) |
放課後児童クラブのおやつ提供マニュアル“おやつガイド”の作成と指導員による評価 〇片平 理子(神戸松蔭女子学院大学・教授) 〇神澤 佳子(奈良県消費生活センター) |
自由研究発表Ⅱ
(司会)小伊藤 亜希子
10:00~10:30(30分) |
学童保育施設の空間改善の取り組みと過ごし方の変化 〇清水 肇(琉球大学・教授) 三原 唯(琉球大学大学院) |
10:30~11:00(30分) |
インクルーシブな学童保育実践を可能とする学童保育施設の空間構成に関する研究 〇三原 唯(琉球大学大学院) 清水 肇(琉球大学・教授) |
11:00~11:30(30分) |
スウェーデンの学童保育の保育内容 自然を読む〜学校等と統合以前の1988年の指針から〜 〇小暮 健一(明星大学教育学部・非常勤講師) |
11:30~12:15(45分) |
学童保育指導員のチームワーク能力に影響を与える要因 ―個人要因と組織要因の検討を通して― 〇吉澤 英里(星槎道都大学・准教授) 〇鈴木 瞬(金沢大学・准教授) |
自由研究発表Ⅲ
(司会)石原 剛志
13:00~13:30(30分) |
Eコンテンツ教材『KIDSの宣言!』『KIDSのなんでも相談会!』とその活用について 〇大石 達起(一般社団法人フリンジシアターアソシエーション・理事) |
13:30~14:00(30分) |
放課後児童クラブにおける研修の状況と育成支援の質の関連 〇菅原 航平(別府大学短期大学部初等教育科・講師) |
14:00~14:30(30分) |
子どもが学童保育で身につけた資質・能力の検討-子どもによる自己評価アンケートの分析を通して- 〇鈴木 瞬(金沢大学・准教授) 住野 好久(中国学園大学・教授) 中山 芳一(岡山大学・准教授) 植木 信一(新潟県立大学・教授) 松本 歩子(高野山大学・准教授) |
14:30~15:00(30分) |
学童保育の事業評価のあり方に関する研究-スウェーデン・ニュージーランド・日本の比較から- 〇松本 歩子(高野山大学・准教授) 住野 好久(中国学園大学・教授) 植木 信一(新潟県立大学・教授) 中山 芳一(岡山大学・准教授) 鈴木 瞬(金沢大学・准教授) |
15:00~15:30(30分) |
オーストラリアの学童保育指針の研究 ー「子どもに期待される5つの姿」を中心にー 〇松本 遼子(CommunityOSH ・学童保育指導員) |
※大会プログラムを閲覧するためには、パスワードを入力する必要があります。パスワードは大会参加お申し込み後に、大会事務局よりメールにて送付させていただきます。
9:30~ Zoomへの入室開始(大会2日目)
10:00~10:20 理事選報告
10:20~10:30 あいさつ
10:30~12:30 課題研究Ⅰ
13:00〜15:30 課題研究Ⅱ
課題研究発表Ⅰ発表
新型ウイルス(COVID-19)感染拡大防止対策として、小学校が2020(令和2)年3月初旬から一斉に臨時休校となり、学童保育は逆に原則開所することになったことは記憶に新しい。小学校が臨時休校したことに合わせて、政府は学童保育の開所を都道府県に要請したが、そうした要請から学童保育の実施までにわずか数日間しかなかったため、学童保育現場からマンパワー不足が懸念された。今回の出来事で、小学校が臨時休校になっても学童保育は開けるという前例ができたことになる。しかし、普段の基準と非常時の基準には乖離があり、とくに非常時の安全・安心な居場所となるための基準が不十分だったことも明らかになった。今回の状況によって明らかになった国の基準の脆弱さを認識し、非常時であっても対応可能な学童保育の基準を再度、検討しなおすタイミングでもある。何より、指導員も普段とコロナ禍とのジレンマを実感したのではないだろうか。
そこで、実際の学童保育現場における対応の実際について、首都圏の学童保育からの報告と、地方都市の学童保育からの報告をいただき、あらためてコロナ禍における課題と現場における工夫について情報を共有する。
【報告1】
首都圏の学童保育からの報告
堀江 恵理子(立場学童保育所はればれクラブ(横浜市))
【報告2】
地方都市の学童保育からの報告
青木 理絵(福島県南相馬市鹿島児童クラブ)
【コメンテーター】
鈴木 瞬(金沢大学)
【司会・コーディネーター】
植木 信一(新潟県立大学)
※大会プログラムを閲覧するためには、パスワードを入力する必要があります。パスワードは大会参加お申し込み後に、大会事務局よりメールにて送付させていただきます。
課題研究発表Ⅱ
大河原美以(2015)は次のように述べている。(「子どもの感情コントロールと心理臨床」日本評論社)
「子どもの心が健全に育つための基本は一つに集約できる。それは「不快感情(不安・恐怖・怒り・悲しみなど)を安全に抱える力」を獲得できているかどうか、という点である。そして、それは「子どもが困ったときに親を見ると安心する」という関係性の中で育つ力である。」
しかし、今日、コロナ禍の影響とも相俟って、多くの家族の生活基盤が脅かされており、養育者が心身ともに追い詰められ、子どもとの適切なアタッチメント(愛着)の関係を通して子どもの心に安心感・安全感を届けることが困難な状況が生じてきている。
それと同時に、養育者自身も虐待的な養育環境で育っていたり、ASDなどの発達特性の問題を抱えており、そのために我が子の不快な感情に敏感に応答していくことが困難な事例も存在している。
それだけに、養育者自身がわが子の感情に対する敏感性を取り戻せるように支援するだけでなく、学童保育の指導員が子どもとの確かなアタッチメント(愛着)の関係を通して、子どもの心に安心感・安全感を育んでいくことも、子どもへの発達援助における重要な実践課題となっている。
本課題研究では、二人の実践家からの事例報告を踏まえて、何らかの要因によって感情制御の力の獲得に困難さをもつ学童期の子どもへの発達援助と学童保育実践の課題を明らかにしていきたい。
【基調報告】
感情制御の力の獲得に困難さをもつ子どもへの発達援助と学童保育実践
楠 凡之(北九州市立大学)
【実践報告1】
深刻な体罰に曝されてきた学童保育児童に対する取り組み
大阪府・学童保育指導員
【実践報告2】
アタッチメント形成と感情制御の困難さを持つ児童への理解と支援
北九州市⽴⼤学⼤学院・元学童保育指導員
※大会プログラムを閲覧するためには、パスワードを入力する必要があります。パスワードは大会参加お申し込み後に、大会事務局よりメールにて送付させていただきます。
大会参加費
参加費は、WebフォームまたはE-mail、FAXでお申し込み後、後日、振替払込書をお送りいたしますので、そちらを使用してお振り込みください。
大会申し込み方法
オンライン参加についての注意点
<大会事務局>
大会実行委員長:植木 信一
〒950-8680
新潟県新潟市東区海老ケ瀬471番地
新潟県立大学
<お問合せ・お申込み先>
受付事務局:
一般財団法人ささえあいコープ(担当:渡邉)
〒950-2026
新潟県新潟市西区小針南台3−16
Tel:025-265-5446 Fax:025-333-4730
E-mail:gakudouhoiku2021@gmail.com